文書作成日:2018/05/10



 期間限定で、無税で事業承継ができると聞きましたが、本当でしょうか。


出演:  ・・・M社 社長   ・・・顧問税理士



― M社 社長室にて ―

M社社長と顧問税理士が、打ち合わせを行っています。




 そういえば、無税で事業承継できるようになったんだって?




 事業承継税制の特例措置のことでしょうか?




 うーん。
 それかどうかは分からないが、この先10年無税で事業承継ができるらしい、と先日出席した異業種交流会の会合で話が出たんだよ。




 おそらく、事業承継税制の特例措置のことですね。
 ざっくりお話すれば、一定期間内に対象法人が計画の認定を受け、一定期間内に贈与か相続でその法人の株式を取得した場合に、その取得者に課される贈与税あるいは相続税の納税を猶予する制度ですね。上手くいけば最終的にはその納税猶予分が全額免除される、というものです。




 あれ?
 株式の取得に係る贈与税や相続税の猶予は、以前からあったのでは?
 それがなくなったってこと?




 その制度は継続してます。
 今回は“特例措置”です。
 2本同時に走っている、とお考えください。




 何が違うの?
 計画の認定を受けるところだけ?




 ご理解のとおり、計画の認定は、これまでの場合であれば必要ありません。
 他方で、対象となる株式数の上限がこれまで総株式数の3分の2だったのが、特例措置では全て対象となりましたし、納税猶予割合もこれまでは相続について80%までしか猶予が認められませんでしたが、これも100%まで引上げられています。
 更に、後継者1名までしかこの制度の適用が認められていないところ、特例措置では3名まで認められます。
 この他にも、特例措置では猶予継続期間中の条件が一部緩和されています。




 じゃあ、かなり有利だってことだよね。




 そうですね。
 ですから、期間が決まっているのです。




 10年、って聞いたけど。




 10年は、贈与や相続によって株式の取得が認められる期間です。
 具体的には、2018年1月1日から2027年12月31日までです。
 一方で、計画の提出期間は5年です。
 具体的には、2018年4月1日から2023年3月31日までとなっています。
 この間に「特例承継計画」を策定し、認定経営革新等支援機関の所見を記載の上、都道府県知事から認定を受ける必要があります。




 じゃあ、そもそも2023年3月31日までに計画認定を受けないとダメってことだね。
 そうすると、もう5年もないなぁ。




 ご理解のとおりです。




 その間に事業承継の計画ねぇ。
 まあ、無理だな。
 うちの子はまだ小さいし。
 そもそも私は、まだ現役のつもりだよ。




 この制度が延長されることは想定されていません。
 そのため、目先での事業承継を検討すべき方がいらっしゃれば、もっと詳しい条件を早急に確認する必要があるでしょう。もしお知り合いでそのような方がいらっしゃれば、ぜひご紹介ください。




 そうだね。
 もしいたら、紹介するよ。




 よろしくお願いいたします。


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所長プロフィール


税理士 石井 寛 (いしいひろし)

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